鼻の形をよく見ると,実にさまざまで本当に美しい鼻がどういうものなのか,よくわからなくなりませんか.また,美人と言われる方の「鼻だけ」を見ても,それが本当に美しいかどうか,判断しかねることも少なくありません.
それは鼻が目のように強く主張するパーツではないからです.
逆に言えば,鼻は,目立たず顔の中で調和を持って存在しているのが,最も美しいのでしょう.ですから整鼻術は.顔の中で鼻が目立っていやだな〜,という方によいのかもしれません.
治療では,“その人の顔にバランスよく収まっており,あまり目立たないけれども静かに顔の調和を保つ”ような形を作ることを心がけています.
診察のながれ
治療方針の決定には,正確な診断がもっとも大切です.
全ての方に対して,写真とシミュレーションによる評価を行った上で,機能的・審美的にもっとも望ましい治療方針をご提案します.
治療期間,改善度,治療費なども合わせてお考えの上,どのような治療をご希望されるかをお話しください.すべての治療において,最大限の成績が得られるように,お手伝い致します.
カウンセリングでは,まず,少しだけよくなればよい,あるいはきちんと綺麗な形に変えたいなど,どの程度の変化をご希望されるのかをお伺いします.それによって術式がある程度決まってきます.なぜなら鼻は,1−2mmの変化でも,場所によっては大きく印象が変わることがあり,ご本人の希望される変化の程度を決めるのが重要になってくるからです.
次に,鼻以外の部位の修正希望についてお伺いします.とくに口もとは,鼻とのバランスがとても重要なため,最終的にそれらの形態を含めたプロファイルのゴールをご提案します.
手術方法の特徴、リスクなどを記載してありますので,参考になさってください.
これらの情報を十分に比較して、どの方法があなたに最も好ましいものであるかを,ドクターとよく相談して決めてください.
ご不明な点は,専門家の立場から適切なアドバイスを致しますので,カウンセリングの際にご遠慮なくお聞きください.
手術のリスクについて
基本的に手術は安全に行われますが,まれに合併症が生じることがあります.
その場合でも,早期に適切な治療が行われれば,ほとんど問題なく治癒します.このため術後のケアは欠かすことのできない,治療の一環とご理解ください.
腫れ:
手術後2日目くらいがピークで,その後少しずつ消退します.2週後で約8割かた引きますが,むくみが完全に取れるまで約半年かかります.
内出血:
手術後4日目くらいまで,目の周囲に内出血が生じることがあります.約10日で消失し,色が残ることはありません.
感覚麻痺:
術後に鼻の感覚が低下しますが,4〜9ヶ月ほどで回復します.
感染:
きわめてまれですが,複数回の手術後には生じることがあります.抗菌薬やインプラント抜去などの適切な処置を行うことで,ほとんどの場合1−2週間以内で治癒します.
形の不具合:
皮膚の緩みや軟骨の形態の不具合などで,予定した形と少しだけ異なってしまう場合があります.その場合は,微調整の手術を追加することがあります.(約10%)
鼻のまがり:
複数回手術の場合や形の変化に無理をかけた場合は,術後の拘縮のため曲がりが生じることがあります.多くの場合,必要に応じて処置を行うことで改善されます.(約2%)インターネット上では「鼻中隔延長術=術後に曲がりやすい」という情報が多くみられますが,実際は術式を正しく行えばそれほど多い合併症ではありません.ただ鼻中隔延長術は,とても高度な技術を要しますので,この手技に習熟していない医師が行ったり,軟骨性斜鼻の修正に関する知識と経験がないと,高い確率で術後に曲がることがあります.
インプラントのずれ:
複数回手術の場合や形態変化に無理をかけた場合は,インプラントが次第にずれて来る場合があります.インプラントのサイズの変更や,軟骨移植に変更することで改善されます.(約5%)