- 普通にしていても、怒っているといわれる
- 人前で思いっきり大きな口をあけて、笑えない
- 口を閉じようと思っても、力がいる
- 下あごが曲がっているので、写真をとられたくない
- ぼーっとすると、すぐ口が開いてしまう
- 写真を撮る時、あごを引いてくださいと言われてしまう
こうした症状は,多くの場合かみ合わせに問題があります.
かみ合わせの問題には,さまざまなタイプがあり,治療方法もさまざまです.
ここでは,みなさまが抱えていらっしゃるお悩みの症状と,その治療法について,解説していきます.
診察のながれ
治療方針の決定には,正確な診断がもっとも大切です.
全ての方に対して,X線を使った診断を行い,機能的・審美的にもっとも望ましい方法をご提案します.
- お顔,かみ合わせの状態を拝見します.
- レントゲン撮影をします.(コーンビームCT,セファログラム)
- レントゲン検査がすみましたら,専用ソフトを使って10分前後で解析を行い,顔面のバランスを分析します.
- 最後に,もっともお勧めする治療プランをお示しします.
- プランは,カウンセリングの当日にお示しします.なんども診察に来ていただく必要はありません.
治療期間,改善度,費用なども合わせてお考えの上,わからないことがありましたらご遠慮なくお尋ねください.どのプランにおいても,最良の結果が得られるようにお手伝い致します.
矯正治療が必要な場合は,提携の矯正歯科クリニックを受診していただきます.
治療方針
治療方法は大きくわけて,次の3つあります.
- 歯科矯正のみで行う方法
- 手術の前に矯正(術前矯正)を行ってから手術を行う方法
- 手術を行ってから矯正を行う方法(サージェリーファースト)
その方の症状と,どこまでの改善をご希望されるか,またどのくらいの期間をご希望されるかによって,この3つの中から選択していただきます.
サージェリーファースト・アプローチについてについては,こちらで詳しく説明しています.ご覧ください.
手術方法の決め方
ひとつの症状に対しても,いくつかの手術アプローチがあります.
くわしくは かみ合わせやレントゲン検査を行った上で,ドクターがご提示いたします.
手術のリスクについて
基本的に手術は安全に行われますが,まれに合併症が生じることがあります.
その場合でも,早期に適切な治療が行われれば,ほとんど問題なく治癒します.このため術後のケアは欠かすことのできない,治療の一環とご理解ください.
腫れ:
手術後2日目くらいがピークで,その後少しずつ消退します.2週後で約8割かた引きますが,むくみが完全に取れるまで約半年かかります.
内出血:
手術後4日目くらいまで,頬から首にかけて内出血が生じることがあります.約10日で消失し,色が残ることはありません.
感覚麻痺:
術後に歯の感覚が麻痺しますが,4〜9ヶ月ほどで回復します.
感染:
まれですが、親知らずが骨に埋まっている場合などに生じることがあります.抗菌薬や抜歯,プレート抜去などの適切な処置を行うことで,ほとんどの場合1−2週間以内で治癒します.
血腫:
出血により血の塊が創の中にできることがあります.少ない量の場合は自覚症状はほとんどありません.多い場合はやや硬いしこりが1−2ヶ月残りますが,その後自然になくなって消えます.
プレートの脱落:
きわめてまれですが,術後1カ月前後の間に骨を止めたプレートがずれたり,脱落したりする場合があります.骨の安定性に応じて顎間固定,もしくは再手術によるプレート固定が必要になります.
異常骨折:
これもきわめてまれですが,強い咬合の方の場合などで,生じることがあります.
知覚鈍麻:
下顎骨切り術の場合にのみ,下唇から下あごにかけて一時的に感覚が麻痺することがあります(約30%).4〜9ヶ月ほどで回復しますが,約3~5%の方で軽度の知覚鈍麻が残る可能性があります.知覚鈍麻とは服の上から皮膚を触られているような感じで,米粒がついてもわかりにくい,シェーバーがあたっているのがわかりにくい,コップに触れているのがわかりにくい,などの症状です.
ゆるみによる形の変化:
皮膚の緩みや鼻の形の変化など,骨の移動にともなう軟部組織の”あまり”が残ることがあります.これは個人差や年齢差、また骨の移動量によっても異なります.手術後に脂肪吸引などを行った方がよい場合もあります.
顔の左右差:
もともとのアゴの形によっては,術後に顔の左右差が悪化する場合があります.