頬骨の再骨切り術
ご相談の内容をお聞きする
他院での頬骨骨切り術後です.
左頬が扁平化し、加えて外側も飛び出しており,術前よりのっぺりと広がってしまった とのことで来院されました.
ドクターがお顔全体を拝見する
左頬は扁平化して,反対側とはまったく異なる形です.また,輪郭の外側は,骨が突出してしまっており左右差が目立ちます.
さらには プレートと思われる硬いものも触れます。
3DCTを撮影し顔面骨の評価をする
顔面骨の手術ですので,CTスキャンなどレントゲン撮影は必須です.3DCTは院内ですぐに撮影が可能です.
ここでは3DCTによる所見を述べます.
他院での頬骨骨切りですが,骨切りした左の頬骨が,大きくずれています.
左頬前面に触れる硬いものは,飛び出したプレートとネジが原因でした.両顎手術も他院で行われています.
下からみた画像では,頬骨が外側に大きくずれて,広がっているのがよくわかります.
黄色い矢印部分も,固定されていません.このため外にずれて広がっています.
手術計画を立てる
変形の原因と,その状態を正確に把握した後に,手術の計画を立てます.
頬骨の転位を治すには,もう一度,骨を切って強固に固定しなおす必要があります.
固定は,前方だけでなく,後方の頬骨弓のところにも追加します.また,アイホール削りを追加して,目を大きくしたいとのご希望があったため,アイホール削りも追加することとしました.
インフォームドコンセント(輪郭)
手術は 口腔内切開・耳前部切開より頬骨にアプローチし 頬骨骨切りおよびプレート固定を行う.
創部はすべて吸収糸(モノクリル)で縫合する.
リスクとしては,感染,血腫,後出血,創哆開,非対称などがあるが,頻度は1%前後である.
軟部組織の弛みはかならず生じるが,整容的に問題となる可能性は低いと思われる.弛みは脂肪吸引,高周波照射などで軽減が可能である.
手術記録 輪郭
麻酔方法:全身麻酔(麻酔科専門医による)
手術時間:111分
出血量:50 ml
術後経過:手術終了1時間後から,飲水をはじめる.問題なく摂取.疼痛は自制内で,腫脹も軽微.4時間後,バイタルに問題なく,術後出血も少量のため帰宅可とする.
術後6ヶ月目の検診です
縫合創の治癒,腫脹の消退も問題なく,形態的にもよい結果が得られました.
術後のCT撮影
骨の位置や固定を確認します.
まとめ
- 頬骨骨切りの他院修正症例の 診断 シミュレーション 手術計画 術後経過をまとめました
- CTスキャンによる正確な診断と 専門医による手術で リスクは最小限に抑えることができます
- 軟部組織(皮膚,脂肪)のたるみは,かならず生じますが,許容範囲内に収めることは可能です
費用
頬骨修正術,アイホール削り術,全身麻酔,検査 合計 ¥1,948,000 (モニター価格)