口もと

上下顎のセットバックで 落ち着いた口もとを獲得

    上下顎セットバック分節骨切り術

    ご相談の内容をお聞きする

    出っぱった口もとを引っ込めたい,お鼻を綺麗にしたいとの主訴で来院されました.これまで輪郭,鼻に関する治療は受けておられず,また既往歴等に特別なことはありません.

    ドクターがお顔全体を拝見する

    口もとの突出とオトガイの後退がみられますが,噛み合わせに関連する問題がある場合は,セファログラム分析を行います.

    分析で大事なことは,A U1 L1 B Pog の5点が平均からどの程度 ズレているかを確認することです.

    分析の結果から 口もとでは 歯と歯ぐきの両方が前にでていることでした.

    手術計画を立てる

    オトガイについては,ほぼ平均的でしたが短いオトガイをご希望されたため 骨切り術を行うことと致しました.

    インフォームドコンセント(分節骨切り術)

    手術は 口腔内切開より上下顎骨にアプローチします.上下顎の第一小臼歯を抜歯し,分節骨切り術を行います.
    骨切り後,上下顎をセットバック(後方移動)し,チタンプレートを用いて固定します.
    創はすべて吸収糸で縫合します.顎間固定は行いません.

    リスクとして最も可能性の高いものは,オトガイ神経麻痺であり,一時的(数ヶ月)には約80%,後遺症としては約1%の頻度です.また,感染,血腫,後出血,創哆開,非対称などがありますが,頻度は1%前後です.
    軟部組織,とくに口唇の弛みはかならず生じますが,整容的に問題となる可能性は低いと思われます.弛みは予定している鼻形成で改善されます.

    手術記録 セットバック分節骨切り術・オトガイ骨切り術

    麻酔方法:全身麻酔(麻酔科専門医による)
    手術時間:227分
    出血量:251 ml
    術後経過:手術終了1時間後から,飲水をはじめる.問題なく摂取.疼痛は自制内で,腫脹も軽微.4時間後,バイタルに問題なく,術後出血も少量のため帰宅可とする.

    術後1週目の検診です

    創部の引きつれやオトガイ神経麻痺の回復状況,左右非対称や骨の不整などをチェックします.

    術後1ヶ月目の検診です

    縫合創の治癒,腫脹の消退も問題なく,オトガイ神経麻痺も回復しました.触覚圧覚の回復は更に数ヶ月かかる見込みです.形態的にもよい結果が得られました.

    口もとの緊張が緩和され リラックスした表情になりました
    口角の位置の変化がみられます
    人中から唇までの 自然な後退が得られています

    手術前後のX線画像

    歯と歯ぐきの位置が 後方に移動しているのがよくわかります.
    手術前後の三次元CTによる変化です.

    まとめ

    • 上下顎セットバック分節骨切り術/オトガイ骨切り術症例の 診断 シミュレーション 手術計画 術後経過をまとめました
    • CTスキャンによる正確な診断と 専門医による手術で リスクは最小限に抑えることができます
    • 軟部組織(皮膚,脂肪)のたるみは,かならず生じますが,許容範囲内に収めることは可能です
    セットバック術

    この後すぐに 鼻の手術を行っています.続きはこちらから

    費用

    上下顎セットバック分節骨切り術/オトガイ骨切り術,全身麻酔,検査 合計 ¥2,535,000 (目隠しモニター価格)

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