斜鼻と鼻尖形成 鼻中隔延長 鼻翼基部 鼻翼縮小フルコースをピエゾと自家組織で安全に

ご相談の内容をお聞きする

鼻の付け根の高さは気に入っているけど,鼻先が顔に埋まっているような印象と,鼻が少し曲がっているのを改善したいとのことで,ご来院されました.これまでに鼻に関する治療は受けておられず,また既往歴等に特別なことはありません.

ドクターがお顔全体を拝見する

顔全体のプロポーションについては,大きな問題はありませんが,鼻尖部の前方への突出が不足気味で,中顔面の低形成があります.皮膚・軟部組織の厚みや固さは標準的です.

3DCTを撮影し顔面骨・軟部組織の評価をする

鼻中隔弯曲や皮膚・皮下組織の厚さなどを調べるために,CTスキャンなどレントゲン撮影は必須です.

斜鼻を分析する

正面の写真とCTスキャンから,骨性斜鼻の状態と判断されました.鼻中隔湾曲症もありますが,通気障害はほとんどありません.

シミュレーション画像を作成する

ご本人の希望とCTデータや分析値から,シミュレーション画像を作成します.患者さんと外科医が,仕上がりのイメージを共有することは,手術を成功に導く上でもっとも大切なことです.
今回は,鼻根から鼻尖の形態は大きく変えず 全体を前方に移動させることで 中顔面の低形成を補い立体感を与える予定としました.斜鼻の骨切りと鼻中隔湾曲症の修正も同時に行います.

シミュレーションは,結果を100%保障するものではありませんが,できるだけ近い結果になるように努力しています.

手術計画を立てる

イメージの共有ができたら,手術の計画を立てます.
今回は以下の計画としました.

  • オープンアプローチ
  • 第6肋軟骨を採取
  • ピエゾによるプリザベーション骨切り斜鼻修正術
  • 細片肋軟骨による鼻柱・鼻翼基部増大
  • 鼻中隔軟骨による鼻中隔延長および鼻中隔湾曲症の修正
  • 鼻翼縮小
詳細な解剖を確認する

安全な手術には,個体差のある解剖について,入念な確認作業が必須です.
ここでは,皮下組織の厚さと鼻中隔軟骨の大きさについて,確認しています.

シミュレーションを手術に反映させる

シミュレーションは,行っただけでは意味がありません.
その形をできるだけ正確に手術に反映させる必要があります.
当院では,オリジナルで開発した「リノスケール」「リノメジャー」を使い,高い精度で手術に反映しています.

インフォームドコンセント

手術はオープン・アプローチとします.まず第6肋軟骨を採取し,専用の機器で細片化します.それらを鼻柱・鼻翼基部へ移植し組織を増大します.鼻中隔軟骨の一部を採取して,鼻中隔先端へ移植し延長を行います.鼻尖形態は鼻翼軟骨の縫合等で調整します.鼻翼は内側および外側の切除により縮小させます.
リスクとしては,感染,血腫,後出血,創哆開などがありますが,いずれも1%以下の発生率です. 

手術記録

麻酔方法:全身麻酔(麻酔科専門医による)
手術時間:235分
出血量:55 ml 以下
術後経過:手術終了1時間後から,飲水をはじめる.問題なく摂取.疼痛は自制内で,腫脹も軽微.4時間後,バイタルに問題なく帰宅可とする. 

手術中の記録写真

手術の過程は,すべて写真で記録しています.ご希望があれば,ご覧いただいております.

肋軟骨は, 2センチの切開から短冊状に採取します.
このようにすると筋肉がほとんど傷つかないため痛みが少なく,また胸膜損傷(気胸)のリスクもほとんどないので安全です.
術後は,透明なサージカルテープでカバーしますので,当日から入浴が可能です.

鼻翼基部に用いる肋軟骨は,ボーンミルを使って細かく分割します.

細片化した肋軟骨をシリンジに詰めて,移植します.薄く加工された肋軟骨片は,圧縮することで,かたまりとして移植することができます.

鼻根部,鼻尖,鼻柱基部の位置は,あらかじめ「リノメジャー」で計測し,シミュレーションで予定した位置に設定しておきます.

ピエゾを使って骨切り斜鼻修正を行います.鼻背部の剥離をしないため,腫れは最小限です.

鼻中隔延長,鼻尖形成を終えたところです.

クリニカルパス
術後1週目の検診

7日目に術後検診をおこないます.創部の感染や血腫の有無,腫脹の程度などを確認します.

腫れ,内出血ともに平均的で問題なく,感染の兆候もみられません.
鼻柱の縫合糸を抜糸しました.鼻内は吸収糸で縫合してあるため,抜糸は不要で20日以内に自然に脱落します.

骨切り後でも 内出血が少ないのは ピエゾを使って プリザベーション骨切り術を行ったからです
術後5週目の検診

ずいぶん腫れも収まってきました.軽くメイクをすれば キズも気になりません.
斜鼻が改善されていることが,わかります.

術後6ヶ月目の検診

創の治り具合や骨吸収,鼻尖形態などをチェックします.

鼻柱のキズの赤みがまだ残っていますが,もうすこしで落ち着いてきます.ここから6ヶ月後にはさらに全体的にむくみが取れてきます.

おおよそシミュレーション通りの結果となり,満足して頂くことができました.

術後のCTスキャン
まとめ
  • 整鼻術症例の 診断 シミュレーション 手術計画 術後経過をまとめました
  • CTスキャンやリノメジャーによる正確な診断と専門医による手術で リスクは最小限に抑えることができます
費用

鼻尖形成術,鼻中隔延長術,鼻翼縮小術,鼻翼基部肋軟骨移植,斜鼻骨切り術,全身麻酔,手術前検査 合計2,178,000円