口もと

両顎手術で口もとの突出を整え小顔化させる

    上下顎骨切り術 ルフォー.SSRO,オトガイ骨切り

    ご相談の内容をお聞きする

    口元の突出とガミースマイル、そして中顔面の面長感を改善したいとの主訴で来院されました。これまで他院でプロテーゼによる外鼻形成を受けています。また、小さめの下顎の改善目的で、オトガイを中心にヒアルロン酸の注入を繰り返されています。

    ドクターがお顔全体を拝見する

    口元の突出のために閉唇が少し困難で、口元からオトガイにかけての筋肉の緊張が見られます。
    一方、オトガイはヒアルロン酸の過剰な注入の影響で不自然な形態となっています。
    笑顔時には、5ミリほど過剰に歯肉が露出するガミースマイルを認め、また顎先が下方に伸びる「魔女顎」となっています。
    かみ合わせ自体には特に問題ありません。
    典型的な上下顎前突(口元の突出)とオトガイ後退症(アゴなし)です。
    ヒアルロン酸の長期使用による影響でオトガイから下顎に至るまで骨吸収を認めます。
    CDSというセファログラム分析によって、「どこがどれくらい出ているか(足りないか)」を掴みます。

    手術計画を立てる

    CDS分析と実際の顔貌をもとにして、手術のプランニングを立てます。
    ここでは、咬み合わせは維持したまま、両顎手術で上下顎を平行に3ミリ挙上かつ4ミリ後退させつつ、オトガイは8ミリ前方3ミリ上方移動させてVライン形成を追加する予定としました。

    インフォームドコンセント

    手術は 口腔内切開より上下顎骨にアプローチし Le Fort I型骨切り術,SSRO骨切り術,オトガイ形成術を行います.
    骨切り後,上下顎を移動し,チタンプレートを用いて固定します.
    創はすべて吸収糸で縫合します.顎間固定は行いません.

    リスクとして最も可能性の高いものは,オトガイ神経麻痺であり,一時的(数ヶ月)には約80%,後遺症としては約10%程度の頻度です.また,感染,血腫,後出血,創哆開,非対称などがありますが,頻度は2%前後です.
    軟部組織,とくに口唇の弛みはかならず生じますが,整容的に問題となる可能性は低いと思われます.

    手術記録

    麻酔方法:全身麻酔(麻酔科専門医による)
    手術時間:265分
    出血量:180 ml

    術後2年目の検診です

    口元が後退し、自然に閉唇できるようになったため、口唇からオトガイの筋緊張がなくなりました。
    ガミースマイルも改善し、口角の位置が後上方に引かれてSmile archの改善を認めます
    中下顔面が短縮され、小顔になりました。アゴ下のラインも柔らかく綺麗です
    Eラインが整い、メリハリのある横顔となりました。オトガイの形態も自然です。

    手術前後のX線画像

    術中判断で、口元の後退量を術前プランの4mmから3mmに変更し、挙上は平行に3mmから、前方2.5mm、後方2mmとして軽い反時計回転をかけています。
    このように、上下顎前突のケースでは術中にお顔(軟部組織)の変化を見て、微調整を行うことがとても大切です。
    中下顔面が効果的に短縮されています。また、反時計回転によって咬み合わせ平面の角度が変わり、オトガイがよく出ています。オトガイの前方移動は8mmから7mmに変更しました。

    まとめ

    • 上下顎骨切り術(ルフォー, SSRO)/オトガイ骨切り術症例の 診断 手術計画 術後経過をまとめました
    • CTスキャンによる正確な診断と 専門医による手術で リスクは最小限に抑えることができます
    • 上下顎前突のケースでは、特に術中の調節が重要で、術者によって大きな差がでます

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